📋 📋 2027年3月期 第1四半期 決算サマリー
| 売上高 | 784億円(前年同期592億円/32.3%増) |
| 営業利益 | 170億円(同90億円/88.6%増) |
| 経常利益 | 187億円(同68億円/172.4%増) |
| 四半期純利益 | 132億円(同48億円/175.7%増) |
| 営業利益率 | 21.7%(前年同期15.2%) |
| 通期計画 | 売上2,980億円・営業利益490億円(据え置き) |
| 決算資料 | www.hd.square-enix.com/jpn/ir/pd… |
🔥 営業利益は88.6%増の170億円。営業利益率は21.7%まで回復
スクウェア・エニックス・ホールディングスは2026年8月10日、2027年3月期第1四半期の連結決算を発表した。売上高は784億円で前年同期の592億円から192億円の増加、営業利益は170億円で同90億円から80億円の増加となり、大幅な増収増益で期をスタートさせた。増減率でみると売上高が32.3%増、営業利益が88.6%増、経常利益は172.4%増の187億円、親会社株主に帰属する四半期純利益は175.7%増の132億円となる。
注目したいのは利益率の回復だ。営業利益率は前年同期の15.2%から21.7%へ6.5ポイント改善し、前期通期実績の18.4%も上回った。売上が伸びた以上に利益が伸びている状態で、単純な販売本数の積み増しだけでなく、原価負担の軽いカタログタイトルの寄与が効いていることがうかがえる。
貸借対照表を見ると、2026年6月末の現金及び預金は2,596億円で3月末から164億円減少した一方、コンテンツ制作勘定は462億円から503億円へ41億円増加している。開発中タイトルへの投資が進んでいる状況で、後述する下期以降の新作ラインアップに向けた仕込みが積み上がっている形だ。
🎮 HDゲームが売上177億円へ倍増、販売本数は401万本から738万本へ。全4セグメントが増収増益
牽引役はデジタルエンタテインメント事業で、売上高499億円(前年同期329億円)、営業利益155億円(同81億円)と大きく伸びた。営業利益率は24.7%から31.2%へ改善している。内訳では、HDゲームが売上高177億円(同89億円)、営業利益61億円(同10億円)と、利益が6倍以上に膨らんだ。『ファイナルファンタジーVII リバース』のNintendo Switch 2版とXbox Series X|S版、『冒険家エリオットの千年物語』といった新作に加え、カタログタイトルの販売伸長が寄与したという。
販売本数の伸びがこの構造をよく表している。HDゲームとMMOを合わせた販売本数は前年同期の401万本から738万本へとほぼ倍増した。地域別では欧米が288万本から459万本、アジア他が49万本から137万本、日本が65万本から141万本と全地域で伸びており、なかでもダウンロード販売が345万本から665万本へと大きく増えている。
MMOは売上高127億円(同96億円)と増収した一方、営業利益は36億円で前年同期からほぼ横ばいにとどまった。『ファイナルファンタジーXIV』の拡張パッケージ8.0「白銀のワンダラー」の発表を受けてアクティビティが改善したものの、2027年初頭の発売に向けた関連費用を先行計上したためだ。スマートデバイスやPCブラウザ等は売上高194億円(同143億円)、営業利益57億円(同33億円)。ゲーム以外でも、アミューズメント事業が売上高170億円で営業利益19億円、出版事業が売上高72億円で営業利益25億円、ライツ・プロパティ等事業が売上高46億円で営業利益15億円と、全4セグメントが揃って増収増益となった。
📊 マルチプラットフォーム化とカタログ販売が効いた四半期。それでも通期計画を据え置いた理由
この四半期の数字を読み解く鍵は、同社が数年かけて進めてきたマルチプラットフォーム戦略にある。かつてプラットフォーム独占で展開していた大型タイトルを、Nintendo Switch 2やXbox Series X|Sを含む複数機種へ広げる方針に転換したことで、開発費を追加投入せずに販売本数を積み増せる構造ができあがった。HDゲームの営業利益が10億円から61億円へ跳ね上がった背景には、こうした横展開と既存タイトルの再販が同時に効いた事情がある。ダウンロード比率が665万本と全体の9割に達している点も、利益率の改善を支えている。
一方で会社は通期計画を据え置いた。2027年3月期の通期計画は売上高2,980億円、営業利益490億円で、前期実績の売上高2,976億円、営業利益547億円と比べると営業利益は57億円の減益を見込む水準にとどまる。第1四半期だけで営業利益170億円を稼いだにもかかわらずだ。単純計算では通期計画の約35%を最初の3か月で消化したことになる。
背景には、下期に集中する新作ラインアップと『ファイナルファンタジーXIV』拡張パッケージの先行費用がある。決算資料には2026年9月24日、10月8日、10月22日、12月3日と秋以降の発売予定が並び、『FINAL FANTASY RESONANCE』や『ドラゴンクエストモンスターズ4 枯れ木の国のビアンカ・フローラ』といった大型タイトルが控える。新作の売上は宣伝費と償却負担を伴うため、Q1のような高い利益率がそのまま続くとは考えにくい。バンダイナムコが第1四半期の好調を受けて通期見込みを大幅に上方修正したのとは対照的な慎重姿勢で、下期の新作が計画どおり着地するかどうかが今期の評価を決めることになりそうだ。
数字以上に注目すべきは利益率の質だ。カタログタイトルとマルチプラットフォーム展開という追加開発費の少ない領域が利益を押し上げている。通期据え置きは下期の新作リスクを織り込んだ判断だろう。
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